下の写真の右側に写っているのが,初代のこの水力発電所の建物.現在は遺産登録されているため,一度屋根を取り外してクレーンで上からタービンなどの機械類を取り出したそうです.
発電所の川上側はダムになっていて,水量を調整しています.夏期の,最も水量が小さい時でも川下側の水位を数十センチには保つようにしているそう.そうしないと水が干上がって悪臭が立ち込める危険性があるとのこと.ダムの傾斜角度は60度で,水の落ちる音が騒音にならないように考慮しています.
下の写真は建て替え前の水力発電所.昔の建物には窓がついていました.騒音の問題があるため,基本的に窓はないほうが良いのですが,それだと夏の高温時に室内が50度近くになってしまうため,窓はどうしても必要であったとのこと.今は技術が進化して空調で室内の温度を低く保てるため,完全にシェルで密封することができました.
シェルのコンクリートは2層になっていて,外側に紫外線に強い種類のものを持ってきているとのこと.(具体的なコンクリートの種類は失念)表面の小さな石はガイドによると意匠的なもの.

川下側からの魚道の入り口.アピールポイントにしているようで,ガイドでもこの種の環境への配慮の説明には随分と時間を割いていました.

ちなみに,大変残念なことに,この興味深い形状のシェル全体を上の方から見れる視点場はありません.上から写真を取りたければ,対岸の住居ビルになんとかして入れてもらうか,あるいはクローンが必要です.
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